ベタの水換え

水槽の水は徐々に汚れてきます。

ベタは水槽の中でフンや尿をします。これらがバクテリアに分解されながらも蓄積されていきます。

汚れが溜まると魚にとって有害で、水質の悪化はやがて各種の病気や魚の死につながります。この汚れを取り出して新しい水を加えることを「水換え」といいます。

水質の悪化は、水槽の水が多いほど緩やかで、水が少ないほど早くなります。よって水槽が大きいほど魚を楽に飼う事ができます。

しかしベタは単独飼育が原則なので、30cm水槽よりも大きい水槽ですと外観が魚1匹なので寂しい感じになります。やはり30cm水槽がベストです。

 

30cm水槽での水換えの場合

ベタの水換えのタイミングは、30cm水槽の場合、2週間に1回で充分です。また水を換える量も、水槽の水の1/4の量程度で。多くても1/3まで。それ以上の量を換える必要はありません。

このくらいだと、水質の変化も少ないので、水質に敏感なショーベタでも対応できます。なおベタは急な水質・水温の変化には弱いです。その為水換えはゆっくり時間をかけて行うのが基本です。具体的には、新しい水を徐々に足していくのがコツです。

 


具体的な水換えのやり方

1、まず専用のバケツ2つと専用のコップ、そして水拭き用タオルを用意します。

2、給水用のバケツを水でザッと洗い、ホコリなどを取り除き、ベタ水槽の水とほぼ同じ水温のお湯を入れます。水槽に足す分の量ですが、少し余裕をもった量を用意しましょう。

3、給水用バケツに入ったお湯に、水質調整剤(コントラコロラインがオススメ)を入れてカルキ抜きします。さらに「アクアセイフ」などのph降下剤があれば規定量入れます。そして手か金魚用のすくいアミでよくかき混ぜて置いておきます。

4、まずベタ水槽の底に溜まったフンなどの汚れを取り除きます。熱帯魚店で売っている大型スポイトで、出来るだけ汚れを吸い取ります。またコケが出だしている場合は、コケ取り用スポンジなどで擦り取ります。

5、次はベタ水槽の水を抜きます。排水用バケツを水槽の前に置き、コップで水槽の水を数回すくい取り、排水用バケツに希望する量まで水を取り出します。

6、コップから水がしたたりますので、毎回タオルでコップの周りを拭いておくと水を床にこぼさずに作業できます。

7、排水用バケツをどかし、今度は給水用バケツを水槽の前に置き、給水用バケツの新しい水をコップですくい、ベタ水槽にゆっくり注いでいきます。

8、コップの新しい水はベタに直接当たらないようにして、ゆっくりと時間をかけて水を足します。最低でも5分はかけて徐々に足します。

9、希望する量まで水槽に水を足したら、水換え完了です。バケツに残った水は捨てて、再度バケツをザッと洗っておきます。

 

ベタ用のバケツは、小型のものでも充分使えますが、最低でも容量3リットルは欲しいですね。

またバケツは最悪1つでも大丈夫です。まず水槽の水をバケツで捨ててから給水用の水を汲んでもOKですが、やはり2つあったほうが便利な気がします。

 

これらのやり方は、ベタに限らずどんな熱帯魚でも同じです。水換え作業は結構面倒な部分もありますが、魚の飼育には必要不可欠な作業です。

水換えの際、誤ってコップでベタをすくってしまう事もあります。注意して作業しましょう。

 

小さい水槽は上級者向けです。

小さい水槽ほど水換えの頻度が高いので、そのため魚への負担、ストレスは大きいです。

とくに初心者ほど水換えでベタを弱らせてしまいがちです。最も簡単に飼育できる30cm水槽を使用されることをオススメします。

 

 

小さい水槽での水換え頻度

正確には水量でだいたいの水換えタイミングが決まります。経験からいうと、水量1Lなら5日~7日で水を9割換えます。これは新しい水が水槽の水と全く同じ水温でないとダメです。

水量2Lでは、7日に1回、約1/3の水を換えます。5L程度までは7日に1回の水換えが必要だと思いますね。

そして5L以上~10L程度までの水量なら2週間に1度、1/4の水換えで飼育できます。

 

しかし少ない水量での飼育は非常に難しいです。とくに1L程度の飼育はすすめません。急激な水の悪化で突然死の可能性もあります。

10L以上の水量であれば、さらに水換えのタイミングを伸ばせますが、それでも最大で3週間以内には換えるべきだと思います。

 

魚に最も良い水を作る方法

魚に最も優しい水は、じつは蛇口から出たばかりの水ではなく、水道水をバケツに汲んで1~2日程度寝かせた水です。自然にカルキが抜けているので、カルキ抜きも不要です。さらにマジックリーフも入れておけば理想的ですね。薬品を添加していないので魚に優しいです。

そしてバケツにヒーターを入れて、水槽と同じ温度にしたものが最善です。時間に余裕のある方は是非試してみて下さいね。もちろん他の魚にも有効です。

 

ワイルドベタだけは、水換えはほぼ無しで飼育します。

上級者向けのワイルドベタとは、要はタイの各地で採取された野生種のベタです。非常に水質に敏感なので、普通のベタのような水換えは困難です。最初の水合わせも非常にジックリと行い、かつ水換えは「減った分だけ」足していきます。

だいたい1週間に1度、フンや水槽の底の汚れを大型スポイトで取り除き、その際に減った分の水を足しますが、これも基本的に1日以上かけて寝かせたピート水を足します。つまりワイルドベタの飼育には、常に新鮮なピート水を容易しておく必要があります。時間がない場合には、バケツに水とマジックリーフを入れて、ブクブクを入れておけば半日程度で飼育水を作る事も可能です。

水換え出来ない分、水槽には大きめのスポンジフィルターによる「ろ過」も必要になってきます。慣れれば平気ですが、普通のベタよりは神経を使った水換えが必要になります。

 

ベタの水換え時の注意点

「水換え」というのは、やり方を間違えると実は最も魚を弱らせやすい行為でもあります。その為、新しい水を足す際には急にドバッと入れずに、徐々にゆっくり足すように心がけましょう。足す水も、水槽の水と水温が近いほど良いです。最低でも5分くらいはかけて水を足すのが理想的ですね。

水槽から任意の量の水を抜き、底面のゴミやフンをスポイトで取り、新しい水の水温、phをなるべく合わせ、かつカルキが抜けている状態で、水槽内の魚から最も離れた場所へ徐々に水を足しましょう。ベタに直接はコップの水を当てないようにします。

これらの作業は慣れてくると多少面倒に感じる部分もありますが、大切なペットの世話でもあります。定期的に行いましょう。クセとして身につければ、あまり面倒にも感じなくなりますよ。